「ゴジラ-1.0」の客入りが好調だそうです。わたしも面白いと思いましたし、好成績なのは大いに結構。ですが、これで次回作は作りにくなったかなぁと思う寂しい気持ちも起こってます。「シン・ゴジラ」はゴジラを分かったうえで作った別物でした(わたしの現在の評価は「シリアスに作ったパロディ映画」です)し、だからそのあとアニメでしたが新たな作品を展開できました。そしてアニメ版、特に劇場三部作は明らかにゴジラを知らない人が作った作品で、いずれも名前だけゴジラの、別物が収斂進化した怪獣でしたから"次"を期待することができました。が、「ゴジラ -1.0」は初代の存在こそ否定しているものの「ゴジラ」な作品で、ストーリーに矛盾が生じてもゴジラの軸をずらさないことを優先した気配りがありありとしています(熱線は相手の攻撃を受けた・縄張りを荒らされた・進行の邪魔になるというような怒った時や焦りを感じている時にしか使わない、など)。これがハリウッドの対決ものより観客を呼んでいる、となると昔のような対決ものはやりにくいだろうし、単独では少し間を空けないと二番煎じとしか思ってもらえない。ある程度のヒットならともかく、今予想されている特大ヒットになると、それゆえに次回作は当分ないだろうな、と思うわけです。ああ、日本の技術と魂で作った対決ものがまた見たい。毎年フェスで作られている特別上映のやつは、去年のVSガイガンは良かったけど今年のVSジェットジャガーはまたチープ感を前面に押し出す作風に戻しやがったし・・・。
となれば、昔の作品を見るしかない、という思いとは別に4Kリマスター版の「三大怪獣地球最大の決戦」と「怪獣大戦争」のBD二本が届きましたので鑑賞。二本とも動きの少ないパートはクックリシャッキリのデジタルっぽい画質になってしまっています。特にオープニング部分など明らかに最初のフィルムの撮影時点からあっただろう傷も消してしまっているあたり(特典として収録されている「ゴジラ モスラ キングギドラ 地球最大の決戦」と比べると分かります)、先日見た初代「ゴジラ」とは方針が異なる感がありますが、特撮部分のそれも動きの激しい箇所となるとそうでもなく、割とボケを感じる箇所も少なくありません。個人的に怪獣は巨大で遠近感がつかみにくい存在なので少しボケるくらいでちょうどいいと思っていますが、監督でもないリストアスタッフが映像のクッキリ感で演出するような行為はしないと思いますので、それよりはフィルムやリマスター用の再現部分の状態との統一を優先したかと思います。「三大怪獣地球最大の決戦」は初登場のキングギドラを既存のゴジラ・モスラ・ラドンが迎え撃つ怪獣バトルがウリで、リマスターによって臨場感の増した、なぜか書き割りの"背景っぽさ"が縮小した良好な画質で怪獣たちの生き生きとした様子が展開します。作品に関して言えば所謂東宝自衛隊の活躍がほぼ皆無でそこらへんは物足りなく感じますが、この年三本目の怪獣もので、しかも四体もの怪獣が登場しますし、そっちには手が回らなかったと思ってます。BDの目玉は新たに収録された予告編と特報の数々。今までは東宝チャンピオンまつり用に改題された「ゴジラ モスラ キングギドラ 地球最大の決戦」の予告編が本作の予告編として収録されていました。その予告編でもタイトルは「さんだいかいじゅうちきゅうさいだいのけっせん」と呼んでいたので我々はてっきりタイトル部分だけ差し替えにしたほとんど同じものだと思っていましたが。それは半分正解で半分間違いだったという事実が最近発覚。ほとんど同じではありますが、ゴジラとモスラが並び、かつゴジラが岩石を投げるシーンがほぼ同じ画作りではあるもの別映像であることが分かったのです。まぁ言われないと気が付かない程度ではありますが、今回のBDはそこを再現、タイトルの差し替えも合わせてほぼ完全に近い形での「三大怪獣地球最大の決戦」の予告編が再現されました。もちろん東宝チャンピオン祭り版も同時収録されています。特報も改めて収録、東宝の新年あいさつと合わせ、社長シリーズやクレイジーキャッツの新作など正月映画をずらりと並べる中に三大怪獣地球さいだいの決戦もあったので収録されていました。しかもその多くが未使用映像ばかり! 特にゴジラがラドンに持ち上げられてジタバタするところとか恐ろしくよく動いていて、なんで本編で採用しなかったんだろうと思うほどでウットリします。怪獣とは関係ないですが、すでに総天然色の時代の中、あえてモノクロで撮った時代劇も特報が収録されていますが、正直違和感満載。モノクロ時代劇はいかにもデジタルなリマスターすると臨場感のないペラペラ画質になってしまうと思うのはわたしだけでしょうか。
三大怪獣 地球最大の決戦 4Kリマスター Blu-ray [Blu-ray]通常版本多猪四郎東宝 続く「怪獣大戦争」は以前日本映画専門チャンネルで海外版のフィルムを使って失われていた"明神湖""鷲ヶ沢"のテロップを再現した完全版が放送されていましたが、冒頭の東宝マークはなぜか海外のものになっていました。今回のBDはそうした再現はもちろん東宝マークも本来の日本版に戻した、完全of完全版で現状BDでしか見られない版となっていました。7本(別にテレビ特撮番組前後編を一本と数え、さらにアニメと海外映画と海外映画のゲスト登場も入れれば確認済で11本)存在するキングギドラ登場特撮映画作品のうち実は3本しかないキングギドラへの東宝自衛隊の攻撃シーンがある作品の1本。「三大~」では出番のなかった東宝自衛隊がで実質的にクライマックスを全部持っていくほどの活躍をする内容で怪獣バトルが蛇足にしか見えない欠点はありますが、わたしお気に入りの一本。これも東宝チャンピオンまつり用に改題された「怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ」の予告編しか過去の円盤では収録されなかったんですが、今回は「怪獣大戦争」の予告編を復刻収録。ただ、「三大~」のような大きな変更点はなく、タイトル以外では出演された沢木桂子氏のテロップに「'66年のホープ」の一言が目立つくらい。ですが東宝チャンピオンまつり版の上映予定を紹介する特報で本作が「怪獣大戦争」のタイトルのままなのは興味深い。宣伝のためタイトルに「ゴジラ」の文字を入れる改題が行われるようになったのは本作が最初ですが、ギリギリまで改題する予定はなかった、と証明する貴重な特報です。特典収録の「怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ」は当然東宝チャンピオンまつり版。ナレーションが複数追加されているので収録価値は高いですが、テレビ放送や上映会で使われた準全長版は未収録。これは当然か。
怪獣大戦争 4Kリマスター Blu-ray [Blu-ray]通常版本多猪四郎東宝 相変わらず狂気じみた特典映像へのこだわり。こういうことがあるから高いと思っても国産映画のBDの購入はやめられない。
となれば、昔の作品を見るしかない、という思いとは別に4Kリマスター版の「三大怪獣地球最大の決戦」と「怪獣大戦争」のBD二本が届きましたので鑑賞。二本とも動きの少ないパートはクックリシャッキリのデジタルっぽい画質になってしまっています。特にオープニング部分など明らかに最初のフィルムの撮影時点からあっただろう傷も消してしまっているあたり(特典として収録されている「ゴジラ モスラ キングギドラ 地球最大の決戦」と比べると分かります)、先日見た初代「ゴジラ」とは方針が異なる感がありますが、特撮部分のそれも動きの激しい箇所となるとそうでもなく、割とボケを感じる箇所も少なくありません。個人的に怪獣は巨大で遠近感がつかみにくい存在なので少しボケるくらいでちょうどいいと思っていますが、監督でもないリストアスタッフが映像のクッキリ感で演出するような行為はしないと思いますので、それよりはフィルムやリマスター用の再現部分の状態との統一を優先したかと思います。「三大怪獣地球最大の決戦」は初登場のキングギドラを既存のゴジラ・モスラ・ラドンが迎え撃つ怪獣バトルがウリで、リマスターによって臨場感の増した、なぜか書き割りの"背景っぽさ"が縮小した良好な画質で怪獣たちの生き生きとした様子が展開します。作品に関して言えば所謂東宝自衛隊の活躍がほぼ皆無でそこらへんは物足りなく感じますが、この年三本目の怪獣もので、しかも四体もの怪獣が登場しますし、そっちには手が回らなかったと思ってます。BDの目玉は新たに収録された予告編と特報の数々。今までは東宝チャンピオンまつり用に改題された「ゴジラ モスラ キングギドラ 地球最大の決戦」の予告編が本作の予告編として収録されていました。その予告編でもタイトルは「さんだいかいじゅうちきゅうさいだいのけっせん」と呼んでいたので我々はてっきりタイトル部分だけ差し替えにしたほとんど同じものだと思っていましたが。それは半分正解で半分間違いだったという事実が最近発覚。ほとんど同じではありますが、ゴジラとモスラが並び、かつゴジラが岩石を投げるシーンがほぼ同じ画作りではあるもの別映像であることが分かったのです。まぁ言われないと気が付かない程度ではありますが、今回のBDはそこを再現、タイトルの差し替えも合わせてほぼ完全に近い形での「三大怪獣地球最大の決戦」の予告編が再現されました。もちろん東宝チャンピオン祭り版も同時収録されています。特報も改めて収録、東宝の新年あいさつと合わせ、社長シリーズやクレイジーキャッツの新作など正月映画をずらりと並べる中に三大怪獣地球さいだいの決戦もあったので収録されていました。しかもその多くが未使用映像ばかり! 特にゴジラがラドンに持ち上げられてジタバタするところとか恐ろしくよく動いていて、なんで本編で採用しなかったんだろうと思うほどでウットリします。怪獣とは関係ないですが、すでに総天然色の時代の中、あえてモノクロで撮った時代劇も特報が収録されていますが、正直違和感満載。モノクロ時代劇はいかにもデジタルなリマスターすると臨場感のないペラペラ画質になってしまうと思うのはわたしだけでしょうか。
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