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Channel: 録画人間の末路 -
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ネタの塊 レディ・プレイヤー1

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今年は例年にないほどわたし向け映画のラッシュですが、残念なことに見に行く時間をなかなか作ることができません。さすがに8月中くらいまではほとんど終わる・・・はずなんですが、結局いろいろ追加されて開放してもらえない可能性も十分あります。かつ映画一本一本の公開は限られています。手続きを優先して、たまたま空いた休日ができたら映画に・・・なんてやり方では、その日に見たい映画があるとは限りません。したがってわたしがとりうる作戦は、続きの方を後回しにして無理矢理時間を作り、みる映画を絞る、というどっちつかずの手しかありません。結果手続き完了がのびのびになるのですが仕方ありません。来月はどうしても"GODZILLA 決戦機動増殖都市"が見たいのでそれに絞り、今月は頑張っても"パシフィック・リム アップライジング"一本にして他はあきらめよう・・・。と思っていたのですが、ここにきて事情が変わりました。

そのあきらめようと思っていた一本、"レディ・プレイヤー1"に「メカゴジラが出てガンダムと戦う」って話が出てるじゃないですか。メカゴジラ? いいの? メカゴジラと言えば"GODZILLA 決戦機動増殖都市"でも登場することになっているロボット。それがわずかなタイムラグでアメリカ製映画にも出演しているなんて・・・。見たい、見たくてしょうがなくなりました。しかし次の休日とその次の休日は全く時間が取れないことが決定しているのでこれは動かせません。そのまた次を待っていたらもう公開が終わってしまいます。いつまでやる予定なんだろ・・・。と映画館のスケジュールを確認したら、かなり遅い回の上映があるじゃないですか。これなら、店を早く締めて大急ぎでいけばなんとか上映に間に合います。チャンスがあるのならいくしかない! と昨日行ってきました。

内容に関しては配給元が公開している予告編など最低限の情報以外はなるべく入れないで見に行くのがわたしの主義。特に"レディ・プレイヤー1"は見に行く予定がなかったのでなおさらです。各種有名キャラが登場するというのは聞いていましたが、「まぁそう見えるだけで名前が違ったりするんだろ」と甘く見ていたのですが、見た目も名前もそのままはっきり語られるのでビックリ。名前を変えてそれっぽく、にしてあるのは"バック・トウ・ザ・フューチャー"のデロリアンくらいなものです。予告編でチラリと登場したコングもモドキではないキング・コングそのままで、ちゃんとエンパイヤステートビルに片手をかけてぶら下がっているおなじみのポーズ(元映画の「キング・コング」にそんなはっきりしたシルエットはないんですが、なぜかコングと言えばあのポーズ)もとってましたし。顔は作品ごとに若干違うのでコレ、というものはないんですが、ある程度オリジナルおよび"キングコングの逆襲"にも敬意を表したのか面長顔。でも、単独で活躍するのではなくゲームの障害物って、そんなゲームあったなぁ、確か・・・。と使い方に感心。
肝心のメカゴジラですが、クライマックスにようやく登場します。メカゴジラも大きく分けて4種類存在し、"ゴジラ対メカゴジラ""メカゴジラの逆襲"に登場したブラックホール第三惑星人製メカゴジラ、"ゴジラVSメカゴジラ"のGフォース製メカゴジラ、"ゴジラ×メカゴジラ""ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS"の機龍、そして現在展開中のアニメ版GODZILLAに登場するいまだ全容が明らかになっていないメカゴジラがあり、それぞれ外見は大きく異なります。"レディ・プレイヤー1"のメカゴジラはそのどれのコピーでもない、劇中に登場する既存キャラクターの中では数少ないオリジナルデザインとなっています。が、しいて言うなら(ゴジラ×メカゴジラの手塚正明監督は「違う」って言っていたみたいですが)"ゴジラ×メカゴジラ"の機龍が一番近い印象です。もちろん劇中で「メカゴジラ」と呼ばれます。残念ながらゴジラは登場しませんが、代わりに予告編にある通りガンダムと戦います。しかし、メカゴジラの方が圧倒的に大きいため、ガンダムが大苦戦する強さを見せるのは、個人的に痛快でした。デザインや映像は極めてCG臭いものです。これは登場シーンがVRの世界の中であるため、わざとCG臭さを強調しているのだと思います。作品の世界観で言えばその方がリアルですから。ただ、アナログの質感の再現を狙った映像でのメカゴジラとガンダムのバトルならもっと面白かったろうなぁとは思ってしまいます。仕方ないですけどね。
ちょっと作品終了時のエンドロールに飛ぶのですが、終了間際の文字の中になんと"GODZILLA MAIN TITLE by Akira Ifukube"の一言が!!(TITLEでなくTHEMEだったかもしれない) そりゃ確かにメカゴジラ登場シーンのBGMでドシラ、ドシラ・・・の音階が使われていたのは分かりましたよ。でも、アレンジが全く違うので劇中音楽の一部として聞いても違和感ないものでしたし、てっきり分かる人だけがわかればいい小ネタだと思っていたのですが、ちゃんと許可とっていたんですね。どれだけネタ仕込むのに手間惜しんでないのか、製作者のこだわりを感じます。
こだわりと言えばちょっと感激したのが、主人公のチーム五人のメンバーの一人がなんと子供。主人公・クール・三枚目・ヒロイン・子供の組み合わせと言えば石ノ森章太郎氏の作品や合体ロボで見られる"東映五人衆"(勝手に名付けた)のテンプレじゃないですか! なんというこだわり。おしむらくは時間の都合か、クールに相当する人物があまり描かれなかったのが難点ですが、若干意外性も入れつつ日本のサブカルチャー文化への深い理解を感じます。

こうした満載されるネタはどれも最近のものではなく古いものばかり。ゲームを正攻法でクリアしてもダメで、隠しテクニックを使って解決するなど、随所に感じさせる懐かしさ。年代は違いますが、邦画で言えば「ALLWAYS 三丁目の夕日」シリーズを彷彿とさせます。ネタはあまりに豊富で、とても一回や二回じゃ負いきれません。多分分かりやすいキャラクターなどだけではなく、各種演出もあえてちょっと昔の映画からいただいたシーン、ターミネーター2やシャイニングのような分かりやすいものだけでなく、ほかにも多分いろいろあるのでしょう。終盤のロープに吊られた状態でのキスシーンなどはおそらく何かワイヤーアクションを使った映画からいただいたシーンではないか、と思うのですが元ネタが思いつきません。多分他にもあるでしょう。ヲタとしてはまず劇場で満喫し、あとでディスクなり録画なりで手元においてネタ探しを楽しむ、一本で何度も美味しくいただく懐かしくも新鮮な映画になっていると思います。

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